RED WING(レッドウィング) こだわりの素材について  <2>ソールの種類


 

 

トラクション・トレッド・ソール


1958年、アイリッシュセッター」に採用されていたクッションクレープソールが持つアーチサポート、軽量性能はそのままに、更にグリップ力を高めるために誕生した靴底です。このソールは主に建設現場、特に高所での作業をするワーカー達に高い支持を受けました。履き易さに加え、ひっかかりの無い平らな靴底が彼らを、高所でかかとの出っ張りを足場に引っ掛けて転倒する不安から解放してくれたからです。

 

使用モデル:クラシック・モック、クラシック・ラウンド、ラインマン、ペコス、エンジニア、ワーク・オックスフォード

ネオプレーン・コード・ソール

 

1920年代、レッド・ウィングが耐久性が高くコストパフォーマンスの良いワークブーツとしての評価を得るのに大きく貢献したグロ・コード・ソールは、その後自社開発のネオプレーン・コード・ソールとなり、今日に受け継がれています。当時のグロ・コード・ソールの底面のパターンを踏襲し、オイルや薬品に対する耐久性を高めたこの靴底は、鉄道機関士用に作られたエンジニアブーツに使用されています。コード・ソールの名の通り、今日でもコード状のナイロン繊維を混ぜ込みグリップ性を高めた樹脂で作られています。

 

使用モデル: エンジニア

 

レザー・アンド・ラグ・ソール

 

レッド・ウィングが創業した20世紀初頭、ほとんど全ての靴は皮の底で造られており、レッド・ウィングも例外ではなくその頃は革底のワークブーツを製造していました。まだ、ワークブーツとしてのディテールが確立されておらず、ワークブーツとドレスシューズの境界が明確になっていなかった時代です。レザー・アンド・ラグ・ソールは革底の踏みつけ部にラグパターンのTPRを組み合わせ、クラシカルな気品とワーク・ブーツが持つタフさが同居した、創業間もない頃のレッド・ウィングを彷彿とさせるソールです。

 

使用モデル: ベックマン・ブーツ

 

ケミガム・コルク・ソール/ニトリル・コルクソール

コルク・ソールは、20世紀中頃から80年代にかけてワークブーツの靴底として最も一般的なもののひとつでした。樹脂にコルク片を混ぜて軽量性とグリップ性を高めたものです。現在ではウレタンやAVA等の新たな軽量素材が開発され、コルク・ソールを使用した商品も減少。しかしニトリル・コルク・ソール、ケミガム・コルク・ソールの主素材であるニトリルゴムは自動車部品のオイルシート等にも使われる程高い耐油性があり、油田地帯で働くワーカー達に最も適したソールとして採用されています。その重量感ある二トリルゴムの軽量化をはかるため、現在でもコルクを混入したソールを使用し続けています。 ケミガム・コルクはブラックとライトブラウンの2色、ニトリル・コルクはブラウンの1色のみ。

 

ケミガム・コルク・ソール使用モデル: ペコス・ローパー

ニトリル・コルクソール使用モデル: アイアンレンジ

 

 

ビブラム・ラグ・ソール/ビブラム・ロガー・ソール

1935年、のちのビブラム社創設者となるイタリア人、ヴィターレ・ブラマーニは登山の最中に6人の仲間を失う悲劇に見舞われます。原因は極寒の地の柔らかな深雪と硬い氷に同時に対応できるソールがなかったためでした。この悲劇は彼を新ソールの開発へと駆り立て、その翌年には機能的なグリップ性を持った樹脂製のラグソールを完成させました。このソールは柔らかな土の斜面でもしっかりとしたグリップ力を発揮し、アメリカでは森林伐採に従事するロガーたちに愛用されアメリカ中へと広まっていきました。とくにロガーソールに施された、高いヒールに大きく湾曲したカーブは、ロガー達が大木に登るために使用する金具ポールクライマーをブーツに取り付けるために施されたワーク・ブーツがもつ独特のディテールです。

 

ビブラム・ラグ・ソール使用モデル: ラインマン

ビブラム・ロガー・ソール使用モデル: ロガー

 

 

 

RED WING(レッドウィング)こだわりの素材について <1>レザーの種類とステッチ

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